園庭のある保育園
~ 園庭は子供の宝箱 ~
私たちは次のような園庭を思い描き年月をかけ造ってきました。
- 土・水・木・石・草木・虫・雨・風・・・既成の遊具を極力なくし、子ども自らが自然物を試し知ることにより、主体的・創造的な遊びが展開し、生活が営まれる場になる。
- 現代っ子に欠ける我慢する力を育てるには、痛い・寒い・煙たい・臭いなど不快な感覚も体験できる場になる。
- 命あるものとの豊かなかかわりがもてる場になる。
- 大木や実のなる木々があり、花が咲き、草が茂り、小川が流れている。
- 子どもの冒険心や探索する心を満たす。
- 自発的なゲームや運動遊びができる。
- 自発的なごっこ遊びが工夫を凝らしながらできる。
- ケンカをしたり、仲良く遊んだり、泣いたり、笑ったりと、子どもたちの人間性の育ちを見守る場である。
- 園庭を遊び回るうちに、いつの間にか子どもの体が丈夫になり、心が伸びやかに育つ。
自由な雰囲気に満ちた園庭は子どもたちの成長の場であり、送迎の保護者の語らいの場であり、心をいやしてくれる場でもあります。
遊び=生活 ~ その育みの循環 ~
自然物に対する子どもの主体的な遊びは年齢を追い、らせん階段を登るように同じ遊びを繰り返しながら変化成長していきます。
【遊びの発見】
心のおもむくままに自分のしたいことを充分楽しみます。
【遊びの広がり】
心のおもむくままに自分のしたいことを充分楽しみます。
【遊びの深まり】
遊びはじめた子どもたちは意欲的になり、自信を持ち、我慢の力もついてきて、お互いの力を出し合って子どもの世界を創り出して遊びます。
【共に育つ】
お互いに声を掛け合い、年齢の枠がとれて、異年齢のグループができ、その中でお互いの力を認め合い助けあったりしながら、これまでの体験をもとに新しい遊びを創り出していきます。
【生 活】
意欲的に活動する子ども達はその体験から生活する能力を身につけ自分の身のしまつ・あいさつ・掃除・食事・睡眠と自立的になってゆきます。
【情 感】
陽だまりに寝転んだり、じっと風を受けたり、木の枝に身を寄せたり、木の上から独り遠くを眺めたり、雲を目で追ったり、雨のなかを走り回ったり、雨音を聞いたり、小動物を抱いたり、握ったり、花をさわったり、石をなでたり、五感・皮膚で感じることを大切にします。
体を汚して心を洗う
どろんこ
〜汚い・だめと禁じられた遊びが充分できる魅力〜
購入された赤土の山がトラックでドンドンおろされると、全身どろんこのはじまりです。
″汚してはいけない″という抑圧や、子どもが知らず知らず抱えこんでいるストレスが、自由自在のドロドロヌルヌルの中にはき出されていきます。
″子どもの体を汚して、心を洗う″という浄化作用を充分満たした遊びです。後はさっぱり温水シャワーを浴びて、心身共に気持ちよくなります。充分に心が解放された子どもたちは、粘土をこねはじめ表現活動に向かいます。共に育ち合う仲間の意識も芽生えます。
水遊び
海から誕生し、羊水のなかで育った私たちの命は水との関わりを本能的に喜び、心が開かれた自由を獲得し心にやすらぎを感じます。
この地域は湧水が豊かです。園庭に流れる小川で心地よく浸ったり、ダムを作ったり、流れを見つめたり、心ゆくまで遊びます。土と水は、関係しあって子どもの遊びの文化を拡げ深めます。
子ども文化は美術文化
子どもたちは生まれながらにして育つために必要なカリキュラムを各々が持っています。創造欲望が発揮できれば自ずと自発的原理のもとに育っていきます。創造欲望が発揮されている子ども達が遊んだ跡は総て造形です。
子どもが子どもとして生きて夢中になって遊んだ子ども自身が生み出す子ども文化は美術文化なのです。
子どもが遊んだ跡は
総て造形活動であった
~ 平成30年度年長児木工作品 ~
~ 2017年 秋・冬 ~
自由画について
子ども達は夢中になって遊んで獲得した認識の世界を絵に描こうとします。描く環境を整えて、指導せず、自由に伸び伸びと描かせましょう。不思議で魅力的な絵はこの時代にしか描けない宝物です。また、子どもの心の問題を描くことがあります。子どもの問題は大人の問題としてとらえるように心がけたいものです。